年の瀬がせまってくると、かさこじぞうのおじいさんおばあさんではないですが、今年も無事に年が越せそうだ、と思うと、なんだかしみじみとしてしまうのです。
でも、まだ4週間も今年は残っていますね!
今日は、そんな12月にぴったりな絵本の紹介です。
『十二の月たち』 ボジェナ・ニェムツォヴァー 再話 出久根育 文・絵 偕成社 ¥1,680 |
チェコやスロヴァキアに伝わる物語。
いじわるな継母と姉のいいつけのために、雪の山に出かけるマルシュカ。
山の頂上には、12人の男たちが焚き火を囲んでいます。
「三月」とよばれる青年が杖をふりかざすと・・・
時に、おそろしいほどのきびしさをみせる自然の力を、美しくダイナミックに描いた民話です。
文と絵を書いた出久根育さんは、チェコ在住。
あとがきには、雄大な自然が残るチェコやスロヴァキアには、時にこうした物語が本当に息づいているように思えるとあります。
出久根さんの挿絵を見ていると、ふと静かな深い雪の森の気配がすぐ近くに感じられるようです。冬の長い地だからこそ、自然への畏敬の念と春を待ち望む気持ちが物語の中にも表れています。
出久根さんの絵本は、他に『マーシャと白い鳥』、『あめふらし』も入荷しています。
『しあわせな モミの木』 シャーロット・ゾロトウ 文 ルース・ロビンス絵 みらい なな 訳 童話屋 ¥1,260 |
近所では、”変わりもの”というレッテルを貼られた、丁寧な暮らしをするクロケットおじいさん。
ある日、花屋の店先で枯れかかったモミの木を手に入れます。
少しずつよみがえっていくモミの木の周りでも、少しずつ変化が・・・
日本の世の中には”丁寧な暮らし”がたくさん出回っていますが、私は、クロケットおじいさんのような人こそ丁寧な暮らしをしている人じゃないかなと思うのです。
穏やかで温かな、市井の人のクリスマス。
私はそういうお話が好きです。
『はしれ、トト!』 チョ ウンヨン作 ひろまつゆきこ 訳 文化出版局 ¥1,890 |
来年はうま年、ということで馬のお話。
トトはわたしのおきにいりのぬいぐるみ。
馬がだいすきなのに、ほんものの馬を見たことなかったわたしを、
おじいちゃんがけいばじょうにつれていってくれることになったの。
そこには、トトそっくりの馬がいた!
今年、かわら美術館に「ブラスティラヴァ世界絵本原画展」を見に行きました。
そのコンクールでグランプリを受賞したのがこの作品。
競馬場に集まるおっちゃんたち(失礼!)の表情、疾走する馬の迫力・・・どのページも魅力たっぷり!
原画は、さらに迫力があり、この作品が桁違いに秀でていました。
小さい人からしたら、大人のやっていることって滑稽です。純粋な小さい人の視点からみた、ちょっと皮肉なお話の内容にも、くすり。
勢いのあるこんな絵本とともに、新しい年を迎える準備をするのも楽しいですよ。
明日明後日(水木)は定休日となります。
よろしくお願いします。
No hay comentarios:
Publicar un comentario