2012-06-17

遅々として・・・

今日は、父の日ですね。
相変わらず、だからと言って店としては何もしてないのですが・・・
(先月の母の日の投稿、反響があって、うれしかったです。
もうちょこっと私も本当に思っていることを書いていこうと思いました^^)

せっかくなので、今日はお父さんにちなんだ絵本の紹介です。

紹介するのは、どちらも大好きな2冊。

『ねずみのとうさん アナトール』
イブ・タイタス 文
ポール・ガルドン 絵
晴海耕平 訳
童話館出版 ¥1,365

表紙からも分かるように、これはフランスのねずみのお話。
ベレー帽に自転車走らせる姿が決まってるアナトール。
でも、外見だけがムッシューというわけじゃない。

人間に、ねずみのことを「いやらしい、フランスの恥だ」と言われ、
ねずみとしての自尊心や誇りと、家族を養わなければいけない必要とを
両立させようと、アナトールがひらめいたこととは・・・

読んだ後に思わずにんまり。
でも、こんな生き方、きっと私たちもできるんじゃないかって
思えるのです。
人間としての誇りを保ちながら、日々食べていくってこと。

なかなか深くて、ウィットのきいたお話です。


『おとうさんの ちず』
ユリ・シュルヴィッツ 作
さくまゆみこ 訳
あすなろ書房 ¥1,575

作者のユリ・シュルヴィッツは『よあけ』や『ゆき』などで有名な
ポーランド生まれの絵本作家です。
(『よあけ』は店にも置いています。)

シュルヴィッツが4歳の時、第二次世界大戦で大空襲をうけた
ワルシャワを逃れ、当時のソ連で暮らし始めました。(現在のカザフスタン)

戦争で、故郷を追われた先では、日々の食べ物にも困るほどの
貧しさが待っていました。
ある日、わずかなお金を持ってパンを買いに市場に行ったお父さんが
家に戻ってきた時に、手にしていたのはパンではなくて、大きな世界地図!

ユリ少年は、はじめはそんなお父さんを恨んだものの、
次の日からはすぐに世界地図に夢中に・・・
聞いたこともない地名を唱えれば、心は想像の世界にはばたきます。

「地図のおかげで、貧しさもひもじさも忘れ、
魔法の時間を過ごすことができた」

これは結果論であって、子どもにひもじい思いをさせて
ひどい親だと思われる方も、もしかしたらいるのかもしれません。

でも、子どもが自分の力でどうにもできない環境にあったときに
子どもらしさを失わないための希望や想像の種を
大人が与えることの重要さを、私は考えさせられました。


結局、お父さんにちなんだ絵本といいながら、
「父であること」「親であること」「大人であること」について思わず考えてしまう
選書になりました・・・

「父の日」がそんな日であってもいいんですよ、はい。


<おまけ>
『おとうさんの ちず』には、小さなサプライズがあるのです。



ほら!SARANAのある、”岡崎”が載ってる!
店で探してみてくださいね。

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