世代を重ねてもなお、読み継がれている本がありますよね。
本を選ぶ身分になって、それにはそうなるだけの
理由が本の中にあるのだと、よく分かります。
「クラバート」 プロイスラー作 中村浩三訳 偕成社 |
ブログで本を紹介するにあたって、読んだことのある本でも
必ずもう一度読み返すことにしているのですが、この本は、
初めて読んだ時とまた違った、深い深い読後感を残してくれました。
作者のプロイスラーは、ドイツの児童文学者で
「大どろぼうホッツェンプロッツ」などの作品を描き残しています。
この作品は、プロイスラーがドイツとポーランドにまたがる
ラウジッツ地方に伝わる「クラバート伝説」を元にして、描いた長編です。
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クラバートは奇妙な夢に導かれて、湿地の水車場の見習いと
なることになり、その親方から魔法を習う。
3年の歳月を経て成長したクラバートは・・・
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”魔法”やファンタジーと聞いて、ゲームとか
今流行りの・・・とか思ってしまう方もいるかもしれません。
今回「クラバート」を紹介しようと思ったきっかけも、
先日の取材ディレクターが書棚を見て、
「ファンタジーっていうと、RPG(ゲーム)に
つながっちゃうんですよねー」と言われ、
そうか・・・と思ったからです。
私は、ゲームやアニメを否定するわけではないけれど、
「ファンタジー=ゲーム、アニメの世界」としか知らないとしたら、
うまく表現できないけれど・・・もったいない。
この物語の世界は、ゲームやアニメの世界にあるような
きらびやかな魔法合戦のようなものはなく、もっと
薄暗く、時には死の影も見え隠れするものです。
その中で成長するクラバート、その支えとなる人たち、
人生で大切なこと・・・
確かに、軽いファンタジー文学ではないですし、長編です。
でも、一度読み出したら、一気に読み終えてしまう。
ゲームやアニメ、日本のライトノベルのような世界でしか
魔法やファンタジーのことを知らない若い人から、
こんなジャンルの作品、気にとめたこともないという
大人の方まで、ぜひ一度読んでみてほしい「名作」です。
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いろいろ書くと、これから読む人の楽しみを取って
しまうので、レビューってムズカシイ・・・
ちなみに、この本の表紙裏と帯は、この物語の
核心部分についてバラしてしまっている、とてもとても
良くできた表紙裏と帯でして・・・帯はすぐにゴミ箱行き^^
でしたが、表紙裏はできたら読まずに・・・お願いします。
(だから帯は嫌い。)
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