今日は何もしたくないような気分で一人いたら、
そんな日は、本と一緒にもう一度布団にもぐりこんでみる。
今日は、違う国に行ってみたい。
この雨雲を突き抜けて、違う国の空気や匂いを感じに出かける。
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「犬が星見た ロシア旅行」 武田百合子 中公文庫 |
思い出してしまうのだけど、なぜでしょう。
女性の方が、とりとめもなくいろんなことを綴っていく、という
エッセイという形式に向いているのだろうな。
昭和44年のロシアへの旅。
まず船でロシアに行くところから、時代を感じる。
でも、きっと今のロシアに、この本の中と同じ時代が流れている
場所がまだあるんじゃないか、と思えてしまう。
著者の目の付けどころや感想がなんとも可笑しくて、時に
シニカルでもある、名エッセー。
「フランス日記」 高山なおみ アノニマスタジオ |
高山さん自身「サラダは、菜っ葉だけのものに塩をふるだけの」
が好きというようなことを書いているけれど、
彼女の文章は、まさにそんな感じで、気取りがないのです。
読んでいると、情景や匂いまでが浮かんで、一緒にフランスで、
路地を歩いたり食べ物をほおばったりして、どっぷりとフランス
旅行を楽しんでしまう。
そんなエッセーに合わせて読んだら楽しいのは・・・
「パリのすみっこ」鈴木るみこ編 マガジンハウス |
La Maison du Pastelという画材のパステルを手作りで
つくっている店。
「パリを歩いていると、ふいに、本当にふいにですが、
永遠に出会った気がする瞬間があります。・・・略・・・
そんな永遠に出会えそうな場所を、私たちは「すみっこ」と
呼ぼうと思うのです。・・・略・・・
すみっこには、贅沢や斬新はありませんが、そのかわりに
誠実さと親密さがあります。そういうものがお好きなかた、
どうぞ、ご一緒に。」
鈴木るみこさんの文章は、いつ読んでも素敵です。
「スペインのBARがわかる本」 川口剛 バルクカンパニー |
スペインといえば、BAR(バル)。
最近は、スペイングルメブームもあって、現地の味かと思えるほどの
スペイン料理店やバルも日本に登場しています。
でも、スペイン現地のBARの魅力は、料理だけじゃない。
著者(私と同い年!)は、グラナダ(私がいた都市、そして同時期滞在!)の
バルの分布から、タパスの種類(ただで出てくるおつまみのこと)
客の年代や利用時間帯など、よくやったなぁと思うほどに調べている。
読みながら、今すぐにでもバルに飛んでいきたい、と何度も思う。
この本のおもしろいところは、そんなバルについて事細かに調べながら、
バルはスペイン人にとって「第二の居場所」として、バルを中心に人が
繋がっているという、都市環境学的視点でバルを見ているところ。
あれから、だいぶ時間は経って、物価は高くなったりしているけれど、
バルというスペインの大黒柱みたいなものは、まったく変わってません。
スペインの魅力を知りたい方は、ぜひ、ご一読を。
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さぁて、我が家に帰ってきた。
外は、相変わらずのしとしと雨。
布団の中でうれしくて、にやにや。
楽しかったな、ロシアの旅。フランスの旅。スペインの旅。
今度は、どこに行こうかな・・・
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